活動方針

あいさつ

地域工学研究所(Community Technology Institute)は、1985年の創立から20世紀最後の15年間、そして21世紀最初の25年間を経て、2025年6月18日をもちまして、創立40周年を迎えました。

設立以来、私たちを取り巻く地域環境は、時代とともに大きな転換を重ねてきました。
高度経済成長期から安定成長期への移行、人口増加から減少・少子高齢化への転換、大都市への人口集中、過疎化の進行や平成の大合併、阪神淡路大震災・東日本大震災などの大災害を経て、地域社会の姿は大きく変わってきました。

近年では、気候変動による災害の激甚化、能登半島地震、新型コロナによる暮らしと働き方の変化に加え、AIとデジタル技術の進化による社会構造の変革、ウクライナや中東での戦争が地域経済や暮らしに新たな影響を与えています。
こうした中で、地域の安全・安心、持続可能性がこれまで以上に問われています。

社名に込めた「地域工学」という言葉には、『場』としての「地域」が抱える多様な課題に対し、『方法』としての「工学」によって解決策を導き、まちづくりを実践するという私たちの理念が込められています。この40年間、地域を取り巻く課題は大きく姿を変え、地域の将来像もまた、当初の見通しからは大きく進化しています。安全・安心や生活の質の向上を軸に、情報化・国際化、AIを活用したデジタル化の進展、さらには「フローからストックへ」という発想転換の中で、地域づくりは気候変動や国際情勢の変化にも柔軟に対応しながら、常に新たな挑戦を求められています。

コムテックは創立以来、単なる調査や計画策定にとどまらず、地域活性化につながるプロジェクトの実現、地域住民の参加・協働・連携を強化する仕組みづくりなど、実践性を大切に歩んできました。小規模なアトリエ組織でありながら、幅広いテーマに取り組み、時代の変化に応じて検討テーマを収束・深化させながら進化を続けています。

現在は、<地域ビジョン>を中心に、<地域デザイン>、<地域モビリティ>、<地域リノベーション>という4つの領域を軸に据え、「駅とまち」、「シェアリングモビリティ」、「ストック活用」などのプロジェクトを重点に据えた取り組みを進めています。

これからもコムテック地域工学研究所は、地域と共に考え、寄り添い、地域再生の伴走者を目指してまいります。

[4つの領域と展開例]

project

「コムテック」は、地域<単位>としての「コミュニティ」、<シーズ>としての情報技術やソフト方策を含む「テクノロジー」に注目した「Community Technology」の略称です。

コムテックのロゴマークは、<2つの相反するものをうまく結びつけることから新しいものを生み出す>イメージを表象しています。例えて言えば、20世紀型地域から21世紀型地域へのモデル転換、あるいは都市と農村の共存や人間と自然環境の調和を表しており、重ねられているフラクタル状のマークは両者を結びつけるコムテックの役割とネットワーク型組織による展開を表しています。

(当社が参加するUniversal Villageのマークも、同じことを標榜しています)

コムテック